「アクションプリーツとは」記事のアイキャッチ。ダブルライダース背面の線画と、記事タイトル「アクションプリーツとは|背中の折り込みの役割と仕組み」

アクションプリーツとは|革ジャンの背中の折り込みの役割と仕組み

2026.07.21

革ジャンやライダースジャケットの背中側、肩の後ろあたりに、縦の折り込みが入っていることがあります。腕を前に伸ばすとふわりと開き、戻すと閉じる。「アクションプリーツ」と呼ばれるディテールです。

このページでは、アクションプリーツの意味と由来、どういう仕組みで動きを助けているのか、そしてプリーツのある革ジャンと付き合ううえで知っておきたいことを、順にご説明します。

アクションプリーツとは──背中の「動きのための折り込み」

アクションプリーツ(action pleats)は、ジャケットの背面、腕のつけ根(アームホール)に沿って設けられた折り込みのことです。「バイスイングバック」「アクションバック」と呼ばれることもあります。

普段は畳まれて閉じていますが、腕を前へ伸ばすと折り込みが開き、背中に必要な分だけの「余り」を供給します。腕を戻せば、折り込みはまた静かに閉じる。見た目はただの折り目ですが、実際には動くための構造です。

ダブルライダースジャケットの背面の線画図解。肩のヨークから始まるアクションプリーツ(動きのための折り込み)の位置と開閉方向、および脇下に入れる木の葉形のマチの説明
アクションプリーツの位置。右下は脇下のマチ(動きのための足し革)

なぜ革ジャンに必要か──革は伸びない、から

布のシャツと違い、革は横方向にほとんど伸びません。そのまま体にぴったり仕立てると、腕を前に出すたびに背中が突っ張ってしまいます。

そこで、あらかじめ革を多めに裁ち、その余りを折り込みとして畳んでおく。伸びない素材に「動きの余白」を構造で持たせる工夫が、アクションプリーツです。素材の性質を裁断と縫製で補う、昔ながらの答えのひとつといえます。

由来──狩猟着・作業着からライダースへ

アクションプリーツの起源は、銃を構えるハンティングジャケットや、腕を大きく使う作業着にあります。肩まわりの可動域が仕事の質に直結する服で発達したディテールです。

ライダースジャケットに受け継がれたのは、バイクの乗車姿勢のためです。ハンドルを握る前傾姿勢では、腕は常に前へ伸びています。その姿勢を支えるために、背中の折り込みが働いています。

見た目の効果──背中の陰影

実用から生まれたディテールですが、いまではライダースの背中の表情をつくる要素でもあります。縦の折り込みが入ることで背面に陰影と立体感が生まれ、無地の一枚革とはまた違う佇まいになります。ヴィンテージのライダースでは、このプリーツの入り方が年代や型の見分けの手がかりになることもあります。

脇の下の「アクションプリーツ」──マチで動きを足す

ここまでお話ししたのは背中側の構造で、一般に「アクションプリーツ」といえばこちらを指します。一方、kawaremakeでは、脇の下にマチ(動きのための足し革)を入れて可動域を広げる作業を「脇下にアクションプリーツを取り付ける」とご説明しています。

腕を上げると脇が突っ張る。運転やバイクで、脇の下だけが窮屈──そんな一着の脇下に、目立たない形で「動きの余白」を足す仕立てです。表からはほとんど見えない位置なので、見た目の印象を変えずに、動きやすさだけを変えられます。

この作業はメニューには載せていませんが、ご相談を受け付けています。革の状態と構造を拝見して、できるかどうかからお答えします。

プリーツのある革ジャンと、修理・サイズ調整

アクションプリーツは動きのたびに開閉する場所なので、長く着るほど、折り込みの谷や縫い目に負担が蓄積します。裏地の傷みや縫い目のほつれが、プリーツまわりから出てくることは珍しくありません。

また、身幅や肩まわりのサイズ調整では、プリーツの構造をどう保つかが仕上がりを左右します。折り込みの分量を無視して詰めてしまうと、せっかくの可動域が失われるからです。プリーツのある一着の修理やサイズ調整は、その構造を踏まえたうえでお受けしています。

おわりに──動くための、静かな仕掛け

アクションプリーツは、革という伸びない素材と、動く体との間を取り持ってきた仕掛けです。お手元の革ジャンの背中に折り込みを見つけたら、それは「動くことを前提に仕立てられた一着」の印です。

プリーツまわりの傷みやサイズのご相談は、写真を添えてお気軽にどうぞ。構造を確認のうえ、できることをお答えします。

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