【修理事例】レザーパンツのウエストぐるりで35㎝サイズアップ

お電話でのヒアリング

今回の修理事例は、バイク用レザーウエアブランド“KUSHITANI”のレザーパンツ、パンチングレザーとスムースレザーの2本を、それぞれウエスト一周で35センチのサイズアップになります。

ライディング時にインナーとしてプロテクターを着用する為に、大きく加工して欲しいとのご依頼をいただきました。

ウエスト、太もも、ふくらはぎとそれぞれどのくらい大きくしたいか、使用する革についてなど、お電話のみでヒアリングと仕上がりイメージをお伝えいたしました。

修理前の状態と課題

実際にお品物を受け取り、まずは状態の確認から。

クシタニなどのバイク用レザーパンツでは、体の保護が大前提として作られている為、膝のプロテクターやヒップの内装式パットが取り付けれた仕様となっています。幸いプロテクターやパット類は取り外しができるタイプでしたので、作業中の取り回しにも影響が少なく対応することに問題はございませんでした。

ウエストサイズアップの修理工程

まずは側面を大きく解く作業からスタートです。

サイズアップに必要な数値と、解き終わった部分の数値からパターンを作り、革と裏地を裁断します。

革と革の重なり部分に厚みが出過ぎてしまう為、そこまで厚みのある革は使わず、適度な厚みと強度のある革を選びました。

側面に足す革を繋ぎ合わせます。

本体に縫い合わせます。着用した時に自然なカーブを描くように微調整しています。

ゴム糊を入れて、繋ぎ目を慣らしてローラーで平らにします。

ふくらはぎの辺りは3㎝幅を出しています。

こちらは先端の裾部分です。三角形の頂点を綺麗に仕上げます。

ウエストの仕上がりです。

背中側のパネルとシャーリング部分の間に革を足しています。

ウエスト部分の裏側です。

革自体には鋏を入れずに、革と革の繋ぎ目に新たな革を付け加えました。極力オリジナルのディテールは変えないようにサイズアップを行います。

ご要望通り内装式パットも生かします。一度打ち袋ごと取り外し、サイズアップ後に移設して裏地に内袋を縫い合わせます。

まとめ

今回は、事前にお電話にてご要望内容を細かくお伺いし、作業中にも確認を取りながら進めていきました。

安全性を重視した機能性と強度を重視して、ご意向に合わせてお直しいたしました。

ご利用いただき、ありがとうございました。

気になることや、カスタムについてのご相談をお待ちしております。

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