レザーパンツのサイズアップを行う際、ウエストだけでなくヒップや太もも部分も「成り行き」で革を足していく必要があります。特にウエストのサイズを広げる場合、その下に連なるヒップ部分にも影響が出るため、自然なラインを保つための調整が不可欠です。
本記事では、ウエストサイズアップ時のヒップや太ももへの影響や、対応可能な範囲について詳しくご説明いたします。
ウエストサイズアップに伴う「成り行き」でのヒップ調整
ウエストを大きくする際、ヒップもある程度の幅で自然にサイズアップする形になります。
ただし、ヒップだけをウエスト以上に広げるとバランスが崩れてしまうため、**基本的には「ウエストに合わせた成り行きのサイズアップ」**となります。
このため、ウエストから下に向かってどこまで窮屈に感じているかを、事前にしっかりお伝えいただくことが大切です。
窮屈さを感じるポイントが判断のカギ
- ウエストだけがキツいのか?
- ヒップも窮屈に感じるのか?
- 太ももまでキツさを感じるのか?
このようなフィット感の状況によって、必要な調整範囲や加工内容が変わってきます。
**「どこまで足したいのか」ではなく、「どこまでキツいのか」**をお伝えいただくことが、仕上がりの自然さに直結します。
サイズアップできる範囲と加工の難易度
基本的には、裾方向に向かってサイズアップの制限はありません。
しかし、太ももやふくらはぎまでサイズアップする場合は、構造的に大掛かりな分解・再縫製が必要になります。
その際、以下の点も確認が必要です:
- サイドのステッチ(縫い目)が再現できるかどうか
- リベットなどの金具を一度外す必要があるか
- 元のデザインラインをどこまで保持できるか
作業前にしっかりと打ち合わせを行い、お客様のご希望と加工可能な範囲のすり合わせをさせていただきます。
6cmまでのウエストサイズアップにも対応
ウエストのサイズアップは、最大で6cm程度まで対応可能です。
それ以上になると革の追加範囲が大きくなり、シルエットにも影響が出やすいため、仕上がりのイメージと合わせてご相談ください。
裾まで革を足さない場合は「三角マチ」で対応
ウエストから下に革を足す際、**裾の端まで一枚革で延長する方法と、途中まで革を足して自然に馴染ませる「三角マチ方式」**があります。
多くの場合、見た目と機能性のバランスを考慮し、三角マチでの対応となります。
まとめ:まずは「どこまでキツいか」を教えてください
レザーパンツのサイズアップでは、ウエスト〜ヒップ〜太ももにかけての自然なラインを保つことが大切です。
そのために「どこまでがキツいと感じているか」を、具体的にお知らせいただければ、最適な方法をご提案できます。
昔お気に入りだったレザーパンツをもう一度穿きたい方、ネット購入でサイズが合わなかった方も、まずはお気軽にご相談ください。
最終更新日:2025年8月1日