
こんにちは、レザージャケットのリサイズ専門店「カワリメイク」です。
今回は、レザージャケットの中でも特にご相談が多い袖丈詰めについてご紹介します。
袖丈が合っていないと、手元がもたついたり、動きにくさを感じたりするだけでなく、せっかくのライダースジャケットの雰囲気が台無しになってしまうこともあります。
特にファスナー付きの袖は、見た目にも機能的にも重要なディテール。袖丈を整える際には、どこから詰めるかの選択が非常に重要になります。
この記事では、「袖先から詰める方法」と「肩から詰める方法」の違いと、それぞれに適したケースを詳しく解説します。
袖丈が長いことで起きる問題とは?
袖丈が合っていない場合、次のような問題が起こります。
- 袖が手の甲にかかって動きにくくなる
- 袖を折り返して着るとシルエットが崩れる
- 袖の余り部分に皺(しわ)が入りやすくなり、見た目にも違和感が出る
レザージャケットは素材に厚みがあり、余った袖のたるみが目立ちやすいため、ジャストサイズの袖丈が全体の印象を大きく左右します。
袖先から詰める方法|柔軟に対応でき、制限が少ない
特徴
袖口のパーツ(ファスナー、リブ、カフスなど)を一度外し、必要な分だけ袖を短くしてから元の仕様を復元する方法です。構造的にシンプルで、詰める長さに制限がないのが大きな特長です。
向いているケース
- 詰めたい長さが明確にある(3cm以上など)
- 袖口のデザインをできるだけ活かしたい
- 肩の形やシルエットは触りたくない
主な対応内容
- ファスナーカット:ファスナーを短く加工して仕上げる
- ファスナー維持:元の位置を変えずに袖丈だけを詰める特殊縫製
- 袖幅の調整:詰める量が多い場合でも、袖先のバランスを整えて仕上げ可能
注意点
- 袖口に複雑なディテールがある場合、分解と再構築に手間がかかる場合があります
- 袖全体のテーパードライン(先細りの角度)が変化することがあります
肩から詰める方法|ライン重視で仕上げたい場合に最適
特徴
袖を肩から外し、「袖山(そでやま)」と呼ばれる上部から長さを調整して再接着する方法です。ファスナーやカフスなどの袖口のパーツは一切触らずに対応できるため、見た目を完全に維持できます。
向いているケース
- 袖口のファスナーを一切触らずに残したい
- 袖全体のラインを崩したくない
- 3cm前後の微調整を行いたい
注意点
- 基本的に3cm程度までの調整が推奨
- それ以上の詰めには身幅や袖幅とのバランス調整が必要なことがあります
- 肩の縫製構造に手を加えるため、高度な技術が必要になります
比較表|袖先から?肩から?判断の目安
| 項目 | 袖先から詰める | 肩から詰める |
|---|---|---|
| 詰められる長さ | 制限なし。長めの調整にも対応可能 | 基本3cmまで。それ以上は身幅調整が必要な場合あり |
| 袖口デザインへの影響 | パーツを外して再縫製(位置変更・加工あり) | 袖口は一切触らず、デザインそのまま |
| 袖のライン | 詰め量により多少変化する場合あり | 自然な袖ラインを維持しやすい |
| 対応パーツ | ファスナー・リブ・カフスなど柔軟に対応可能 | 袖口の仕様を完全に保持可能 |
| 作業の難易度 | 比較的シンプル | 構造の把握と技術が必要でやや高度 |
実例紹介|ファスナー付きライダースジャケットの袖丈詰め
事例①:袖先から詰めたケース|袖丈を詰めた後、ジッパーユニットを再縫製し、オリジナルのステッチを再現したクロムハーツのライダースジャケット
袖丈が約12cm長く、ファスナーのデザインは残したいというご希望に対し、袖先から詰める方法で対応しました。ファスナーを上へ移動させて再縫製し、袖先の幅も整えながら自然に仕上げています。

事例②:肩から詰めたケース|袖を一度外し、3cmお詰めして再構築して、ルイスレザーのライダースジャケット
ファスナーの位置を絶対に変えたくないとのご要望により、肩から約3cm詰めて対応。袖全体のラインを崩さず、肩まわりの構造を活かした丁寧な縫製で、違和感のない仕上がりになりました。

まとめ|袖丈詰めは「目的」によって最適な方法が変わります
袖丈詰めは、ただ短くするだけでなく、「どこから詰めるか」が仕上がりの自然さや着心地に大きく関わります。
- デザインを優先したいなら肩から
- 柔軟な調整や長さを詰めたいなら袖先から
カワリメイクでは、ジャケットの構造やご希望をしっかりとヒアリングし、最適な方法をご提案いたします。
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