
はじめに|身幅を広げたら、袖がきつく感じる理由とは?
「レザージャケットの前が閉じにくい」「肩や胸まわりが張る」──こうした悩みを解消するためにご用命いただくのが、kawaremakeの【本格調整】全体サイズアップコースです。
このコースでは、身幅を中心にジャケット全体をバランスよくサイズアップしますが、意外と多いのが「袖もなんだか窮屈に感じる」というお声。
実はこの“袖の窮屈さ”、身幅の調整と密接に関係しているのです。
今回は、全体調整の中でも見落とされがちな「袖幅」の調整について、その仕組みと考え方をご紹介します。
身幅と袖幅の関係|袖幅の出し幅は身幅の出し幅とイコール
【本格調整】全体サイズアップコースでは、身幅を出す際にアームホール(袖ぐり)も同時に広げる必要があります。
なぜなら、身幅だけを広げてしまうと、袖の付け根と合わなくなり、縫い目に無理がかかったり、ツレや型崩れの原因になるからです。
そしてもう一点重要なのが、
🔧 袖幅の出し幅は、基本的に「身幅の出し幅」とイコールになります。
たとえば、身幅を左右で各2cm広げた場合、袖の太さ(袖幅)も同じく2cmずつ広がる形で自然なラインを保ちます。
これは身頃と袖が“構造的につながっている”からこそ起きる現象であり、パターン全体の整合性を保つためには不可欠な調整です。
袖幅の広げ方|広げる長さは「形」で調整できます
袖幅の出し幅は身幅に連動しますが、**どの部分まで出すか(広げる範囲)**はお選びいただけます。
イメージとしては、脇下を頂点とした二等辺三角形のように広がる形になります。
| 広げる範囲 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 二の腕まで | 袖の上部だけにゆとりを加える | ジャケットのシルエットをあまり変えたくない方に |
| 肘まで | 袖の中間あたりまで緩やかに広げる | 動きやすさを重視したい方に |
| 袖先まで | 袖全体にわたって太さを出す | 厚手のインナーやシャツを中に着たい方に |
💡【ポイント】
どの形を選んでも、袖の太さ自体は身幅と同じだけ出ます。広げる「長さ」を変えることで、シルエットや動きやすさを調整できるという考え方です。
調整後の印象|自然なシルエットと着心地の両立
身幅と袖幅を整えたレザージャケットは、見た目の違和感がなく、自然なゆとりを感じられる仕上がりになります。
- 二の腕の張りが軽減され、動かしやすくなる
- 袖に“引っ張られ感”がなくなる
- インナーとの干渉がなくなり、着脱しやすくなる
- 身頃〜袖先までラインが整い、全体の雰囲気もアップ

袖のシルエットを維持したい方には「二の腕まで」、可動性を重視したい方には「肘まで」、重ね着したい方には「袖先まで」など、目的に応じてご提案いたします。
注意点と実例紹介
袖幅の調整は、構造的に必須の作業でありながら、意外と気づかれにくいポイントです。
また、裏地(ライニング)があるジャケットの場合は、表地と裏地を一緒に調整する必要があります。
実例①|冬用に厚手ニットを着たい
ご相談内容:インナーにニットを着ると袖がきつい
対応:袖幅を「袖先まで」広げ、全体がゆったりとした印象に。シルエットも自然で、重ね着しやすくなったとご満足いただきました。
実例②|シルエットはそのままに動きやすく
ご相談内容:バイク用ジャケット、動きやすさを重視したい
対応:袖幅は「肘手前まで」広げ、ジャケットの細身な印象は残したまま、可動性が大幅に改善しました。
まとめ|袖幅の調整も含めて“全体を整える”という考え方
【本格調整】全体サイズアップコースでは、身幅の調整に伴うアームホール・袖幅の調整もセットで行います。
袖幅の出し幅は、身幅と連動して決まりますが、どこまで(どの位置まで)広げるかは、お客様のご要望に応じて対応いたします。
オンラインからのお申し込みでも、追加料金なく袖幅調整に対応しています。
ご希望のイメージや、着用シーンなどに応じて最適な形をご提案しますので、
「アームホールと二の腕を出して、可動性を高めたい」
「袖先までゆとりを持たせて、重ね着をしやすくしたい」
「肘まで広げて、全体的にストレスなく着られるようにしたい」
など、具体的なご希望がありましたら、お気軽にご相談ください。
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【本格調整】全体サイズアップコース
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