
レザージャケットやライダースジャケットを日常的に着用していると、
「腕が上がりにくい」「脇が突っ張る」「肩が窮屈」
といった“可動域の悩み”に直面することがあります。
これは革ジャン特有のタイトな設計によるもので、特に身体に沿うシルエットのモデルほど起こりやすい現象です。
その可動域のストレスを軽減する有効な方法が、「アクションプリーツ(脇下マチ)」の追加 です。
アクションプリーツは、脇下に革のマチを入れることで腕の動きに余裕を持たせる補助機能。外観を大きく変えずに動きやすさを向上できるため、長時間の着用でも肩や脇のつっぱりが軽減されます。
ただし、大切な革ジャンに追加加工を行ううえで気になるのが、
「強度」「革質」「色の見え方」
といった仕上がりのバランスです。
本記事では、それぞれの懸念点について、専門的な視点からわかりやすく解説します。
1. 強度と耐久性について
アクションプリーツ追加を検討する際、まず押さえておきたいのが 強度と耐久性の問題 です。
革ジャンがタイトすぎる場合、脇下周りの縫製には常に過度な負荷がかかっています。
その状態を放置すると、
- ステッチの解れ
- 革の破れ
- パーツの裂け
といったトラブルの原因になることがあります。
腕の上げ下げの動作に制約が出ている場合、すでに縫製や革に負荷が蓄積している可能性も高いです。
アクションプリーツを追加することで、脇下に適度な余裕が生まれ、
動作による負荷の分散 が可能になります。

当店では、ジャケット本体の構造や革の方向性を一着ずつ確認しながら作業を行い、動きやすさと強度の両立を目指して施工しています。
2. 革質(風合い・厚み)の違和感について
アクションプリーツは、脇下に新しい革を足す加工です。
そのため、どれだけ丁寧に選定を行っても、
元の革と“まったく同じ”質感にはなりません。
必ず、
- 風合い
- 革の厚み
- コシ・柔らかさ
といった点に 若干の差が生じます。
ただし、リメイク専門店としてできる限り違和感が少なくなるよう、
- 元の素材に近い革を複数比較して選定
- 革の方向・しなりを合わせる
- ステッチピッチや糸番手を調整し、縫製の馴染みを高める
といった工程を踏み、自然な見た目になるよう最大限の配慮を行います。
元の革と完全一致は不可能ですが、
違和感が強く残らないよう丁寧に仕上げることが可能です。
3. 色の違和感(見た目の統一感)について

革の色味は、経年変化や日焼け、オイルの入り方で個体差が大きく、
新しく足す革と 完全に同じ色 にすることはできません。
そのため、アクションプリーツを追加する場合も、
必ず若干の色差が出ます。
当店では、その差ができるだけ自然に見えるよう、
- 現在のジャケットの色味に最も近い革を選定
- 経年に合わせたトーンの革をピックアップ
- 糸色・縫製の表情を調整
といった対応を行い、見た目の統一感が損なわれないように仕上げています。
タイトな雰囲気はそのままに、脇・肩周りの窮屈さだけを改善したい方には、とても相性の良いリサイズ方法です。
まとめ:アクションプリーツで可動域の悩みを解消
アクションプリーツの追加は、
- 袖幅や身幅は問題ない
- でも脇や肩だけが動きにくい
というお悩みに対して、非常に効果的な改善方法です。
革質・色にはどうしても若干の差が出てしまいますが、
強度面の改善と可動域の向上というメリットは非常に大きく、
外観の雰囲気を大きく損なうことなく快適さをプラスできます。
「細くしたい」「タイトに着たい」という方でも、
アクションプリーツを適切に入れることで、動作の制約が和らぎ、
革ジャン本来の魅力を損なわず長く楽しむことができます。
脇や肩の窮屈さでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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