kawaremake(カワリメイク)|レザージャケット、革ジャン、ライダースジャケット、レザーパンツのリメイク・修理専門店

革ジャンのサイズ直し用パターン図。肩幅・袖・身幅を詰める際の調整ラインを示した設計図。
【保存版】革ジャンのサイズ直しが初めての方に知ってほしいこと
2025年10月20日
Category:リサイズ

理想のフィット感を手に入れるための第一歩

革ジャン(レザージャケット)は、着込むほどに風合いが増し、自分だけの一着へと育っていく特別なアイテムです。
その魅力を最大限に引き出すために欠かせないのが、「サイズ感」です。

しかし、初めて革ジャンを購入される方の多くが、
「肩のラインが落ちてだらしなく見える」
「袖が長くて手が隠れてしまう」
「窮屈で腕が上がりにくい」
といった違和感を感じることがあります。

本記事では、革ジャンのリサイズ(サイズ直し)を初めて検討される方に向けて、どの部分が直せるのか、そしてどのように相談すれば良いのかを、専門的な視点からわかりやすく解説します。


なぜ革ジャンのサイズ選びは難しいのか

革ジャンは、布地の洋服と比べて「伸びにくく、縫い直しの自由度が低い」素材です。さらに、海外ブランドの多くは欧米体型に合わせて設計されており、日本人が着ると「肩幅が広い」「身幅が大きい」「袖が長すぎる」といったサイズギャップが起きやすくなります。

革ジャンに求められる理想のフィット感

革ジャンの魅力は、体に沿うような立体的なシルエットにあります。
肩幅・袖丈・身幅のバランスが整っていないと、せっかくの重厚感が損なわれ、野暮ったい印象になってしまいます。
そのため、ほんの数cmの違いでも、見た目と着心地が大きく変わるのです。


💡 革の“伸びる”という話について
「革ジャンは着ていくうちに伸びるから、少し小さめを選ぶと良い」と聞くことがありますが、実際に伸びるのは主にヒジ部分など可動の多い箇所だけです。肩幅や身幅が大きく変化することはありません。
ただし、長年の着用で革が柔らかくなり、体に馴染んでいくという意味での「伸び」は確かにあります。購入時には“馴染む余地”を考慮しつつ、極端なサイズ選びは避けましょう。


リサイズで改善できる主なポイント

リサイズを行うことで、見た目と機能性の両方を整えることができます。
ここでは、特にご相談が多い代表的な調整箇所をご紹介します。


① 肩幅詰め(Shoulder Width)

肩幅を詰めたあとのレザージャケット。縫い目が整い、シルエットもスッキリしている完成後の状態
After|肩幅を自然に詰めることで、見た目もスッキリと仕上がりました

肩幅はジャケット全体の印象を左右する重要なポイントです。
肩が広く見えると、全体のバランスが大きく崩れてしまいます。

  • 目的:シャープで引き締まったシルエットを再現すること
  • 方法:肩線(ショルダーライン)を内側に移動し、袖付けを調整
  • 注意点:肩と袖は連動しており、肩を詰めると袖丈も短くなります。そのため、全体のバランスを考慮した調整が必要です。

🔧 単純に縫い目を詰めるだけでは自然なラインが出ません。肩の形状や袖山のカーブを含めて、丁寧に再構築します。


② 袖丈の調整(Sleeve Length)

袖丈を詰めた後、ジッパーユニットを再縫製し、オリジナルのステッチを再現したクロムハーツのライダースジャケット。
After|オリジナルのステッチを再現し、自然な仕上がりに

ライダースジャケットなどは、もともとバイク走行時の前傾姿勢に合わせて袖丈が長めに設計されています。
街着として着る場合、袖が手の甲を覆うほど長いと、ややアンバランスに見えてしまいます。

  • 方法:デザインを崩さないため、肩口側(袖山)から詰める方法がおすすめです。袖口から詰めると、ファスナーやカフ部分のデザインが損なわれる場合があります。
  • 目安:手首の骨が軽く見える程度が、バランスの良い仕上がりです。

👕 袖丈の調整は、肩とのバランスを見ながら行うのがポイントです。


③ 身幅(Body Width)

縫製後の身幅と、取り除いたレザー
詰めた量に応じて革がカットされ、スリムなラインに仕上がります。
身幅と袖幅をサイズアップしたレザージャケットの仕上がり。自然なシルエットでゆとりが加わっている。
両脇と袖下にマチを加えることで、全体のバランスを崩さずに動きやすさを確保しています。

身幅は、着心地とシルエットを決定づける重要な要素です。
「前を閉じると胸が突っ張る」「逆にゆるくてシルエットがだぶつく」など、違和感が出やすい箇所でもあります。

  • 詰める場合:余った革を内側に取り込み、自然にシェイプします。
  • 出す場合:サイドパネル(脇下の切り替え部分)などに革を足して、ゆとりを確保します。

🔧 出し幅はジャケットの構造やサイドシーム(脇線)の位置によって異なります。可能な調整範囲には限りがありますので、まずはご相談ください。


④ 可動域の改善(Action Pleats)

脇下にアクションプリーツを追加した革ジャンの加工例
After|脇下にアクションプリーツを追加

「腕を前に出しづらい」「肩まわりが窮屈に感じる」といった場合には、**アクションプリーツ(可動用の折り返し)**を追加する方法があります。
デザインを大きく変えずに動きやすさを向上できるのが特徴です。

  • 位置:背面または脇下など、目立ちにくい箇所に設ける
  • 効果:革の張りを和らげ、肩の可動域を広げる

👤 見た目のシャープさを保ちながら、ストレスのない着心地を実現します。


初めてリサイズする際の注意点

革ジャンのリサイズは、素材と構造の理解が欠かせない繊細な作業です。以下のポイントを事前に押さえておきましょう。

  1. 肩幅と袖丈はセットで考える
     肩幅を詰めると袖の付け位置も変わるため、袖丈が短くなることがあります。
  2. 針穴が残ることを理解する
     革は一度縫うと針穴が残る素材です。再縫製時は、目立たない糸色・ピッチで工夫しますが、完全には消せません。
  3. 元のサイズには戻せない
     詰め作業を行った場合、元の寸法に戻すことは基本的にできません。慎重な判断が必要です。
  4. 着用シーンを想定する
     バイク用、街着用、冬場の着込み用など、使うシーンによって最適なサイズ感は変わります。

失敗しない相談のコツ

革ジャンを理想の状態に仕上げるためには、職人とのコミュニケーションが欠かせません。
以下のような情報をお伝えいただくと、より的確なご提案が可能です。

  1. 着用目的を伝える
     「街着中心」「バイクで使用」など、用途を具体的に。
  2. 体感ベースで表現する
     「袖をあと2cm短くしたい」「前を閉じると胸がきつい」など、感覚的でも構いません。
  3. 着用写真を添える
     正面・背面・横・腕を上げた状態など、複数の角度から撮影した写真があると判断が正確になります。
  4. サイズ見本を同梱する
     お手持ちのジャケットで「理想のサイズ感」に近いものがあれば、一緒にお送りいただくのもおすすめです。

まとめ:理想の一着を、あなたの体に合わせて

革ジャンは、ほんの数cmの違いで印象が大きく変わるアイテムです。
「気に入っているけどサイズが合わない」──そんな理由で眠らせてしまうのは、少しもったいないことです。

サイズ直しを通じて、自分の体にぴったりの一着に整えることで、革ジャンの魅力は何倍にも引き立ちます。
ぜひ一度、写真とともにお気軽にご相談ください。

📩 ご相談・お見積りは無料です。
あなたの大切な革ジャンが、長く愛せる“相棒”として生まれ変わるお手伝いをさせていただきます。

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