
「詰め」と「出し」は両方できますか?|対応できる組み合わせとその理由
こんにちは。kawaremakeブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、リサイズのご相談で特に多いご質問のひとつ、
「詰め」と「出し」は同時にできますか?
というご質問にお答えします。
サイズ感に関するお悩みは、人によってさまざまです。
たとえば「肩幅は狭くしたいけど、お腹まわりは少しゆとりが欲しい」といった、一着の中で“詰めたい部分”と“出したい部分”が混在しているケースもよくあります。
本記事では、実際に併用できるパターン、そして対応が難しい理由について詳しくご紹介します。
詰めと出しの併用が可能なケース
現在、kawaremakeでは下記の組み合わせに限り、「詰め」と「出し」の同時施工を承っております。
対応可能な組み合わせ
- 肩幅詰め + 身幅出し
- 袖丈詰め + 身幅出し
このように、身幅を「出す」加工と、肩や袖を「詰める」加工の併用であれば、全体のバランスを保ちながら仕上げることが可能です。
たとえば以下のようなケースです:
- 肩が大きすぎて野暮ったく見える
- ジャケットの前を閉めると胴まわりが窮屈に感じる
といったお悩みに対して、見た目も着心地も改善できる選択肢となります。
「出し」ができるのは基本的に身幅のみです
ここで重要なポイントですが、**「出し」が可能な部位は基本的に“身幅のみ”**です。
構造上、他の部位――たとえば着丈や袖丈、肩幅など――についても出すことは物理的には可能な場合がありますが、以下の理由から対応しておりません。
出しが難しい理由
- 見た目の違和感が出やすい
出し加工では、縫い目の繋ぎ目部分に革を足すことでサイズを広げます。素材の継ぎ目が目立ちやすくなり、自然な仕上がりにするのが難しくなります。 - 全体のバランスが崩れる可能性
構造的に無理のある組み合わせでは、シルエットが崩れてしまう恐れがあります。 - 耐久性の低下につながることも
無理に革を継ぎ足すことで、強度が落ちたり、使用中に負荷がかかりやすくなる場合があります。
そのため、kawaremakeでは**「出し」は身幅のみに限定**し、仕上がり・見た目・耐久性のバランスが取れる方法のみをご提案しています。
事例紹介|肩幅詰め・身幅出し それぞれのアフター例
今回は、実際にご依頼いただいたレザージャケットのリサイズ例をご紹介します。
ビフォー写真はありませんが、加工後の状態から見える変化と仕上がりのポイントを解説いたします。
肩幅詰めの仕上がり|全体がシャープな印象に

ポイント:
- 肩幅を約2cm詰めることで、肩のラインが自然にフィットし、上半身がすっきりした印象に
- 袖の付き方も変わり、腕まわりのもたつきが軽減
- 見た目の印象が軽くなり、スタイリングの幅も広がります
身幅出しの仕上がり|革を継ぎ足して自然なゆとりを確保

ポイント:
- 両脇の縫い目をほどき、同系色の革を継ぎ足して約3cm身幅を拡張
- 素材感や色味をできる限り合わせて、自然な仕上がりに
- 前を閉めたときの圧迫感が軽減され、動きやすさも向上
このように、「肩幅詰め」と「身幅出し」のようなバランスの取れた組み合わせであれば、見た目・着心地ともに大きく改善することができます。
ジャケットの印象を大きく変えずに、より自分らしいサイズ感に整えたいという方には、とてもおすすめの加工です。
ご相談はお気軽にどうぞ
「ここは小さくしたいけど、ここは少し広げたい」
「今のサイズ感がしっくりこないけど、どこを直せばいいか分からない」
そんなお悩みがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
LINEやメールでの簡易見積もりやご質問も受け付けております。
大切なレザージャケットが、これからも心地よく長く着られる一着になるよう、kawaremakeが丁寧にサポートさせていただきます。
メールでのお問い合わせはこちらから
フォームからのお問い合わせも承っております。
内容を確認後、順次ご返信いたしますので、少しお時間をいただく場合がございます。
ご不明な点やご相談など、お気軽にご連絡ください。