
革ジャンがきつい…「伸ばせるの?」という疑問にお答えします
はじめに|「革ジャンがきつい…これって伸ばせるの?」
秋冬に向けて久しぶりに革ジャンを取り出してみたら、「あれ?ちょっときついかも…」「腕が上がりにくい」と感じたことはありませんか?
体型の変化やインナーとのバランスによって、以前はちょうど良かった革ジャンが、急に窮屈に感じることは意外とよくあることです。
そんな時、よくいただくご相談がこちらです。
「革ジャンって、伸ばせますか?」
本日のブログでは、この疑問にお答えしながら、実際に革ジャンがきつく感じるときの対処法についてご紹介していきます。
革は伸ばせる?|天然素材の性質を正しく知る
結論からお伝えすると…
革は基本的に伸ばせません。
革(レザー)は天然素材であり、布のように自由に伸縮できるわけではありません。確かに、革製品は「使ううちに体になじんでくる」とよく言われますが、これは革が体の動きに合わせて柔らかくなり、形が多少変わるという意味で、「無理に引っ張ってサイズアップできる」というものではありません。
仮に、強引に革を引っ張って伸ばしたとしても、以下のようなリスクが発生します:
- 革の繊維が引き裂かれて弱くなる
- 質感が変わる(テカリやシワが出る)
- 元に戻らない変形が起こる
そのため、「今より少しでもサイズ感をゆったりさせたい」という場合は、適切なリサイズ加工が必要になります。
作業前の状態|窮屈さを感じる場所は?

お客様から「きつい」とご相談いただく場合、特に多いのは以下の部位です:
- 身幅(バスト・お腹まわり)
- 肩まわり
- 腕の付け根(可動域)
これらの部分は、日常動作にも直結する場所なので、窮屈なまま着続けるとストレスに感じやすいポイントです。
リサイズの選択肢|「身幅を出す」or「アクションプリーツを加える」
革ジャンがきつい場合に可能な対処法は、大きく2つあります。
1. 身幅を出す加工

両脇の縫い目をほどいて、新しい革パーツを足し込むことで、全体の幅を広げる方法です。
- バストやお腹まわりがきつい場合に有効
- オリジナルの雰囲気をなるべく崩さず仕上げ可能
- 色味や質感の近い革を使うことで違和感も最小限に
※元の作りによっては、出せる幅に制限がある場合もあります。
2. アクションプリーツを追加する

アクションプリーツ(Action pleats|アクションプリーツ)とは、背中や肩まわりに設ける可動域確保のための折りたたみ構造です。バイカーズジャケットやミリタリーウェアによく見られます。
- 肩や腕が上がりにくい場合に有効
- 見た目にも違和感が少なく、デザイン性もプラス
- 動きやすくなることで、着心地が格段にアップ
加工後の着心地|自然で動きやすい革ジャンに
上記のいずれか、または両方のリサイズを行うことで、「きつい」と感じていた革ジャンが、グッと快適になります。
「身幅を出したら、中に厚手のニットを着ても楽に動けるようになりました」
「アクションプリーツのおかげで、バイクに乗る時に肩が突っ張らなくなりました」
…というお声も多くいただきます。
特に、着込んで体に馴染ませる前段階としてリサイズをしておくと、より快適に経年変化も楽しめるようになります。
注意点と事例紹介
リサイズをご検討いただく際には、いくつか注意点があります。
- デザインによってはリサイズ不可、または加工跡が残る場合もあります
- 同じ革・同じ色を完全に再現することは難しいため、多少の色差が出る可能性があります
- 高級ブランド品や一点物などは、仕上がりイメージの共有が重要です
過去には、**ショット(Schott|ショット)**のライダースを身幅出しした事例や、**アヴィレックス(AVIREX|アヴィレックス)**のA-2にアクションプリーツを追加した事例など、多数対応してきました。個別の事例については、ブログやInstagramでも随時ご紹介しています。
革ジャンのきつさでお困りなら、お気軽にご相談ください
「伸ばせるのか?」という素朴な疑問から始まる革ジャンのサイズ問題。
答えは「無理に伸ばすのではなく、適切にリサイズすること」で解決できます。
「もう着られないかも…」と諦めていた革ジャンも、少しの加工でまた活躍の場が広がるかもしれません。
サイズ感にお悩みの方は、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
お持ちの革ジャンに合わせた最適なリサイズ方法をご提案いたします。
関連商品
メールでのお問い合わせはこちらから
フォームからのお問い合わせも承っております。
内容を確認後、順次ご返信いたしますので、少しお時間をいただく場合がございます。
ご不明な点やご相談など、お気軽にご連絡ください。