海外ブランドのレザージャケットを着ていて、「袖が長すぎる」と感じたことはありませんか?
特にクロムハーツ(Chrome Hearts)のように、存在感のあるディテールと本格的なつくりが魅力のブランドは、デザイン優先のバランス感で仕上げられていることも多く、日本人の体型にフィットしないこともあります。
今回はそんなお悩みから、クロムハーツのライダースジャケットの袖丈を12cm詰めるご依頼をいただきました。ジッパーユニットはそのまま活かし、袖幅もわずかに詰めて自然なシルエットに整えた事例をご紹介します。
Before|海外ブランド特有の長め袖丈が着心地に影響

まずお預かりしたのは、クロムハーツの象徴ともいえる、重厚感あるダブルライダースジャケット。肩にはダイヤ型のキルティングステッチ、袖やポケットにはクロスボール(クロスモチーフのボタン)があしらわれ、全体にブランドらしい迫力が漂う一着です。
ただ、袖丈がかなり長く、手が隠れるほどの長さがありました。見た目のバランスだけでなく、動作のたびに袖が手に干渉してしまい、着心地にも大きく影響が出てしまう状態でした。
今回のご希望は、
- 袖丈を12cm詰めたい
- ジッパーユニットは元のまま活かしたい
という内容で、機能性を保ちつつ、バランスよく仕上げることが求められました。
分解作業|ジッパーユニットを丁寧に取り外し

袖口の特徴的なディテールでもあるジッパーユニット(ファスナー付きの袖パーツ)。このパーツを活かしたまま袖丈を詰めるには、一度すべてを解体してパーツ単位に戻す必要があります。
丁寧に解いて取り外し、詰めた後も違和感なく再構成できるよう、元の縫製仕様を細かく記録しながらの作業です。
詰め作業|袖丈12cmカット+袖幅の微調整

袖丈はご希望通り12cmカット。ジッパーの取り付け位置や袖のシルエットに違和感が出ないよう、カットラインを慎重に決めていきます。
加えて、袖先が広がらないよう、袖幅もバランスを見てわずかに調整。これにより、全体のシルエットに自然なまとまりが生まれます。
After|ジッパーの存在感はそのままに、すっきりとした袖丈に

リサイズ後は、ジッパーユニットを元の位置関係に合わせて丁寧に再縫製。ジッパーの長さ自体は変えずに袖丈だけを短くしているため、クロムハーツらしい重厚感や雰囲気はそのままに、実用的で自然な着丈になりました。
動作のしやすさも格段に向上し、着用時のストレスが軽減される仕上がりです。
リサイズのポイントと注意点
今回のように**「ファスナー付きの袖丈詰め」**を行う場合、以下のようなポイントに注意する必要があります:
- ファスナーを活かす場合は、一度完全に分解してからの再構築が必須
- 袖丈を短くするとバランスが崩れるため、袖幅や取り付け角度の調整も必要
- 革の特性により、再縫製時にヨレやツレが出ないような配慮が不可欠
また、クロムハーツのようなハードパーツ(メタルパーツ)付きアイテムは、パーツそのものに傷をつけないような取り扱いが求められます。
「そのままが好き」でも、自分に合う着心地へ
デザインやディテールが気に入って購入したジャケットでも、「袖丈が長い」「動きづらい」といった理由で、着用機会が減ってしまうのはもったいないことです。
kawaremakeでは、ブランドの世界観を壊さず、着る人の体型に合わせた自然なリサイズを得意としています。
今回のように、ジッパーやボタンなどを活かしながらの調整も可能です。
お気に入りの一着を、もっと自分らしく、もっと着やすく。
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