ライダースジャケットの肩にある「エポレット(肩章)」。その無骨なデザインが魅力のひとつではありますが、時には「もう少しソフトな印象にしたい」「もっと普段着に取り入れやすくしたい」と感じる方もいらっしゃいます。
今回は、そのエポレットを取り外す際の注意点と、より着やすくするためのリメイク方法についてご紹介します。
エポレットとは?本来の意味と、現在のライダースへの役割
エポレットは、もともと軍服などに使われていた装飾で、兵士の肩を守るために付けられていました。階級を示す刺繍や房飾りなどが施されていたこともあり、機能性とともに装飾的な役割も担っていたのです。
しかし、現在のライダースジャケットに付いているエポレットは、その多くがデザイン要素としての位置づけです。もちろんブランドやモデルによって細かい違いはありますが、機能よりも「見た目の雰囲気」を重視したものといえるでしょう。
エポレットを取り外す際の注意点とリスク
「エポレットを外したい」とご相談をいただくことが増えていますが、実はこの作業にはいくつかのリスクも伴います。
エポレットのベルト部分は、肩上部のステッチを解いて開くことで比較的きれいに外すことが可能です。ただし、ボタンが打ち込まれている箇所については注意が必要です。というのも、ボタンを外した跡には小さな穴が残り、さらにボタンの圧によって革に窪みが生じてしまうためです。
この跡を完全に消すには、深く縫い込む方法もありますが、それを行うと肩のラインやアームホールとのバランスが崩れてしまい、全体の着心地やシルエットに悪影響を及ぼします。無理に跡を消そうとするのはおすすめできません。
そこで当店では、可能な限り自然な仕上がりにするために、肩上部のステッチを解き、段差が出ないように薄く加工した革を貼り合わせたうえで、元のように丁寧にステッチをかけ直す方法を採用しています。
着やすさ・コーディネートの自由度を求めるなら
最近は、エポレットやウエストベルトの取り外しをご希望されるお客様が増えてきました。
特に古着で購入されたライダースジャケットを「思ったよりハードで合わせづらい」と感じる方、「もう少しカジュアルなスタイルに寄せたい」という方からのご相談が多いです。
エポレットを外すことで、ライダースジャケットの印象はぐっと柔らかくなり、普段のコーディネートにも取り入れやすくなります。結果として、出番が増える一着になるかもしれません。
ご相談はお気軽にどうぞ
ライダースジャケットのエポレット取り外しには、見た目の変化だけでなく、構造上の繊細な調整も伴います。だからこそ、経験豊富な職人による丁寧な作業が求められるリメイクです。
無骨さを抑えて、より自分らしく着こなせる一着に。ご希望や不安な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
最終更新日:2025年7月28日