こんにちは。レザージャケット専門のリサイズ・修理ブランド「kawaremake(カワリメイク)」です。
今回は、定番ライダースジャケットのひとつであるSchott 613(ショット613)の身幅詰めについてご紹介します。
骨太なデザインで人気のモデルですが、「もう少し身体にフィットさせたい」「街着として着やすく整えたい」といったご相談も多くいただいています。
本記事では、身幅を詰める際の方法や考え方、仕上がりの印象について、詳しくお伝えしていきます。
身幅詰めのきっかけ|サイズは合っているのに、胴回りだけが気になる
Schott 613は、アメリカ製らしい直線的でタフなシルエットが魅力の一着です。
その一方で、日本の体型に対しては身幅(胴回り)がやや広めに感じられることもあります。
実際に寄せられる声としては、
- 「肩と袖丈はちょうどいいけど、胴回りが余ってしまう」
- 「インナーを着込まないとシルエットが膨らんで見える」
- 「バイクだけでなく、街着でも使いたい」
といったものが多く、「少しだけスッキリ見せたい」というご要望につながります。

リサイズの方法|前後の切替ラインを使い、バランスよく調整


Schott 613の身幅詰めでは、前見頃(まえみごろ)と後ろ見頃(うしろみごろ)の切替ラインを使って詰めていきます。
基本の詰め方
- **左右それぞれ2cm以内(合計最大4cm)**の詰めであれば、既存の切替線を活かして縫製が可能です。
- それ以上の詰めが必要な場合は、新たに切り込みを入れて切替位置を調整し直す必要があります。
シルエットを壊さず自然に整えるために、仕立てのバランスを見ながらミリ単位で調整していきます。
袖幅とアームホールの調整について|全体のラインを崩さないために

身幅を詰める際には、アームホール(袖ぐり)を経由して調整するのが基本です。
これは、身幅だけを詰めてしまうと袖の取り付け位置がズレてしまい、ジャケット全体のシルエットに違和感が出るためです。
そのため、身幅を詰める量に応じて袖幅(二の腕まわり)も一緒に調整します。
アームホールをそのまま残す方法も可能です
「腕まわりの可動域はそのまま残したい」「バストから下だけを絞りたい」といったご要望にも対応可能です。
その場合は、アームホールには手を加えず、胴体部分だけで調整を行います。
ウエストベルトの調整|詰め寸に合わせてカット&再縫製

Schott 613には、腰部分にレザーベルトが付属していることが多くあります。
身幅を詰めると、元のベルト長さが合わなくなるため、ベルトも合わせて詰め寸に応じてカット・再縫製します。
全体のバランスを整えるためには、こうした細部の仕上げも欠かせません。
仕上がりの印象|野暮ったさが消え、スマートで現代的なシルエットに
リサイズ後のSchott 613は、無骨な雰囲気を保ちつつも、よりスマートでタウンユースに適したシルエットに変わります。
- 胴回りの膨らみが抑えられ、スタイリッシュな印象に
- インナーに薄手のアイテムを合わせてももたつかない
- 全体のバランスが良くなり、着回しやすさが向上
「バイク専用」というイメージが薄れ、日常使いにも取り入れやすくなるのが嬉しいポイントです。
仕立てのこだわり|元の縫製を再現して、自然な仕上がりに
リサイズ後の仕上がりをより自然にするため、元のステッチ穴に針を落とし込んで縫製を再現しています。
この手法により、縫い直した箇所も目立ちにくく、ジャケット本来の雰囲気を損なわないよう配慮しています。
手に取ったとき、着たときに「違和感がない」と感じていただけるよう、細部にまで丁寧な作業を心がけています。



ご依頼前のお願い|目的や着用シーンをお知らせください
よりご希望に沿った仕上がりをご提供するために、ご依頼前に以下の内容をお知らせいただけますと助かります。
- 詰めたい寸法(左右◯cmずつ などの目安)
- シルエットのイメージ(スリムめ、少し余裕を残す など)
- 着用用途(バイク用/街着メイン など)
- 合わせたいインナー(厚手・薄手 など)
これらをもとに、ジャケット全体のバランスを見ながら、最適な詰め方をご提案いたします。
まとめ|あなただけの一着に仕立て直すお手伝いをします
Schott 613は、時代を超えて愛される名作レザージャケットです。
ほんの少しサイズを調整するだけで、着心地も見た目も大きく変わります。
お手持ちの一着を、より自分らしく着こなすために。
「このくらい詰めたい」「こう見せたい」といったご希望があれば、まずはお気軽にご相談ください。