Schott 613 ライダースジャケット(アイキャッチ用)

Schott 613の身幅詰めについて|シルエットを整えるリサイズのご紹介

2025年9月13日
Category:リサイズ

こんにちは。レザージャケット専門のリサイズ・修理ブランド「kawaremake(カワリメイク)」です。

今回は、定番ライダースジャケットのひとつであるSchott 613(ショット613)の身幅詰めについてご紹介します。

骨太なデザインで人気のモデルですが、「もう少し身体にフィットさせたい」「街着として着やすく整えたい」といったご相談も多くいただいています。
本記事では、身幅を詰める際の方法や考え方、仕上がりの印象について、詳しくお伝えしていきます。


身幅詰めのきっかけ|サイズは合っているのに、胴回りだけが気になる

Schott 613は、アメリカ製らしい直線的でタフなシルエットが魅力の一着です。
その一方で、日本の体型に対しては身幅(胴回り)がやや広めに感じられることもあります。

実際に寄せられる声としては、

  • 「肩と袖丈はちょうどいいけど、胴回りが余ってしまう」
  • 「インナーを着込まないとシルエットが膨らんで見える」
  • 「バイクだけでなく、街着でも使いたい」

といったものが多く、「少しだけスッキリ見せたい」というご要望につながります。

Schott 613 加工前の身幅
Before|ポケット下から前見頃と後ろ見頃の間隔が広く、身幅に大きなゆとりがあります。

リサイズの方法|前後の切替ラインを使い、バランスよく調整

Schott 613の身幅詰めでカットしたレザー部分(表側)
不要となる革を丁寧にカットしていきます。
Schott 613の裏地(キルティング)部分のカット
表革と同様に、裏地も丁寧にカットして形を整えます。

Schott 613の身幅詰めでは、前見頃(まえみごろ)と後ろ見頃(うしろみごろ)の切替ラインを使って詰めていきます。

基本の詰め方

  • **左右それぞれ2cm以内(合計最大4cm)**の詰めであれば、既存の切替線を活かして縫製が可能です。
  • それ以上の詰めが必要な場合は、新たに切り込みを入れて切替位置を調整し直す必要があります。

シルエットを壊さず自然に整えるために、仕立てのバランスを見ながらミリ単位で調整していきます。


袖幅とアームホールの調整について|全体のラインを崩さないために

袖下の縫製とカットされたレザー
身幅の詰め幅によっては、袖まわりも一緒に整えます。

身幅を詰める際には、アームホール(袖ぐり)を経由して調整するのが基本です。

これは、身幅だけを詰めてしまうと袖の取り付け位置がズレてしまい、ジャケット全体のシルエットに違和感が出るためです。
そのため、身幅を詰める量に応じて袖幅(二の腕まわり)も一緒に調整します。

アームホールをそのまま残す方法も可能です

「腕まわりの可動域はそのまま残したい」「バストから下だけを絞りたい」といったご要望にも対応可能です。
その場合は、アームホールには手を加えず、胴体部分だけで調整を行います。


ウエストベルトの調整|詰め寸に合わせてカット&再縫製

Schott 613の裾(ヘム)とカットされたレザー部分
ヘム(裾)も詰め寸に合わせて自然に再構成されています。

Schott 613には、腰部分にレザーベルトが付属していることが多くあります。

身幅を詰めると、元のベルト長さが合わなくなるため、ベルトも合わせて詰め寸に応じてカット・再縫製します。

全体のバランスを整えるためには、こうした細部の仕上げも欠かせません。


仕上がりの印象|野暮ったさが消え、スマートで現代的なシルエットに

リサイズ後のSchott 613は、無骨な雰囲気を保ちつつも、よりスマートでタウンユースに適したシルエットに変わります。

  • 胴回りの膨らみが抑えられ、スタイリッシュな印象に
  • インナーに薄手のアイテムを合わせてももたつかない
  • 全体のバランスが良くなり、着回しやすさが向上

「バイク専用」というイメージが薄れ、日常使いにも取り入れやすくなるのが嬉しいポイントです。


仕立てのこだわり|元の縫製を再現して、自然な仕上がりに

リサイズ後の仕上がりをより自然にするため、元のステッチ穴に針を落とし込んで縫製を再現しています。

この手法により、縫い直した箇所も目立ちにくく、ジャケット本来の雰囲気を損なわないよう配慮しています。
手に取ったとき、着たときに「違和感がない」と感じていただけるよう、細部にまで丁寧な作業を心がけています。

身幅詰め後のSchott 613(前身頃側)
After|身幅を詰めても、縫製ラインが自然に仕上がっています。
縫製後の身幅と、取り除いたレザー
詰めた量に応じて革がカットされ、スリムなラインに仕上がります。
縫製済みの裏地とカットされた裏地パーツ
裏地部分もカットして整え、縫製で自然な形に再構築します。

ご依頼前のお願い|目的や着用シーンをお知らせください

よりご希望に沿った仕上がりをご提供するために、ご依頼前に以下の内容をお知らせいただけますと助かります。

  • 詰めたい寸法(左右◯cmずつ などの目安)
  • シルエットのイメージ(スリムめ、少し余裕を残す など)
  • 着用用途(バイク用/街着メイン など)
  • 合わせたいインナー(厚手・薄手 など)

これらをもとに、ジャケット全体のバランスを見ながら、最適な詰め方をご提案いたします。


まとめ|あなただけの一着に仕立て直すお手伝いをします

Schott 613は、時代を超えて愛される名作レザージャケットです。
ほんの少しサイズを調整するだけで、着心地も見た目も大きく変わります。

お手持ちの一着を、より自分らしく着こなすために。
「このくらい詰めたい」「こう見せたい」といったご希望があれば、まずはお気軽にご相談ください。

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