
ルイスレザー「ライトニング」の裏地交換をご依頼いただきました。長年ご愛用されている中で、「袖通しが悪くなってきた」「着脱のたびに引っかかる感じがある」といったお悩みがあり、今回は裏地のみを交換することで快適さを取り戻すリメイクを行いました。
こちらのジャケットは、表革の状態が非常に良く、ステッチや縫製にもほつれなどは見られませんでした。ただ、内装に使われていたオリジナルのブラックニットナイロンは、やや厚みがあり摩擦も強いため、着用時に袖や肩まわりで引っかかりを感じやすくなっていました。とくにタイトな設計のライトニングでは、裏地の滑りが着心地に大きく影響します。
作業はまず、元の裏地を丁寧に解体するところからスタートしました。オリジナルの縫製構造を壊さないように気をつけながら、必要な箇所だけを慎重にほどき、型紙を取り直します。新たに使用した裏地素材は、滑らかで通気性の良いキュプラ生地です。肌当たりがやさしく、静電気も起きにくいため、レザージャケットとの相性が良く、長時間の着用でも快適に過ごせるのが特徴です。
また、ジャケット内側に縫い付けられていたブランドタグ「AVIAKIT」「Lewis Leathers」についても、解体後に新しい裏地へと丁寧に移設しました。タグの位置や角度にも注意を払い、オリジナルの雰囲気を損なわないよう仕上げています。
完成後の内装は、見た目に大きな変化はありませんが、袖通しのスムーズさや全体の肌触りが格段に向上しています。とくに裏地とインナーが擦れるような場面でも、キュプラの特性によって引っかかりが少なく、ストレスのない着心地へと生まれ変わりました。
裏地交換は、デザインを変えずに快適さを高めたいという方にとって、非常に効果的なリメイクです。素材の特性や体との相性によっても着心地は大きく変わるため、少しでも違和感を感じている方は、お気軽にご相談ください。ジャケットの状態やご要望に合わせて、最適な素材と方法をご提案させていただきます。