
レザーテーラードジャケット|身幅出し|サイズアップ
レザージャケットの着心地が窮屈で、脇まわりに圧迫感があるというご相談をいただき、身幅のサイズアップをご依頼いただきました。今回は、脇下からウエストラインにかけて革のマチを追加することで、見た目の印象を大きく変えずに、着用感の改善を図っています。作業は、革と裏地を必要な分のみ丁寧にほどくところからスタートしました。縫い糸の劣化や裂けなどは見られず、既存の構造を活かしながら調整できる状態でした。サイズアップ用には、元の革に近い質感・色味の革を新たに用意し、脇の下から自然に広がるようなマチ状のパーツとして裁断。追加部分が全体のシルエットに馴染むように設計していますが、元の革とまったく同じ素材ではないため、どうしても若干の色味や質感の差が出る仕上がりとなります。縫製後は、左右で合計約6cmの身幅アップを実現。追加パーツを組み込んだことで、身幅や袖幅に加えてアームホールまわりにもゆとりが生まれ、全体的に動きやすく快適な着心地へと改善されました。また、裏地についてもサイズアップに合わせて延長・再構成を行い、着心地に直結する部分も丁寧に対応しています。革ジャケットのサイズ調整は、単に広げるだけでなく、全体のバランスや縫製強度、素材の相性など多くの要素を踏まえて進める必要があります。今回は、着心地の向上を第一にしつつ、デザイン全体に違和感が出ないよう細部まで配慮しながら仕上げました。「サイズが合わなくなった」「もう少し余裕が欲しい」と感じることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。理想の着心地に近づけるために、状態やご要望に合わせた最適なご提案をさせていただきます。