ルイスレザーのライダースジャケットは、独特のタイトなシルエットと英国的な無骨さで多くのファンを魅了しています。ただ、「他のサイズは合っているのに、袖丈だけが少し長い」「手首まわりがもたつく」と感じている方も少なくありません。

とくにオンライン購入では試着ができないため、届いてから「袖丈だけが気になる…」というご相談をよくいただきます。
ルイスレザーのライダースをより快適に、そして美しく着こなすには、自分の体に合った袖丈へ調整することが大切です。そこで当店では、**「肩から袖丈を詰める方法」**をおすすめしています。
今回は、その理由を3つの視点から詳しくご紹介いたします。
1. デザインを損なわず、袖口の美しさを保てる
ルイスレザーの代表的モデル——ライトニング、サイクロン、ドミネーター、コルセアなどは、袖口のジップや左袖のチケットポケットなど、機能とデザインが融合したディテールが魅力です。
肩から詰めることで守れるディテール
- ジップの長さと位置をそのまま活かせる
袖先から詰めてしまうと、ジップ全体を短くしなければならず、全体のバランスが崩れる可能性があります。肩からの詰めなら、こうした装飾をそのまま残せます。 - コインポケットやステッチの温存
チケットポケットの位置が変わったり、ジップを外す作業が必要になると、仕上がりに違和感が出ることもあります。肩側からなら、こうした細部を保持したまま調整できます。

デザイン性を大切にしたいルイスレザーファンの方には、特に肩からの詰めをおすすめします。
2. シルエットと可動域のバランスを最適に保てる
ルイスレザーのライダースは、SchottやVansonといったアメリカ製のモデルに比べて、全体のフォルムがスリムに設計されています。そのため、袖丈のバランス調整には繊細さが求められます。
肩から詰めることで得られる着心地
- テーパードラインを崩さない
袖先にかけて細くなるライン(テーパード)を維持したまま調整できるため、見た目の違和感がありません。 - 腕の動きやすさを損なわない
肩周りから調整することで、アームホールの形状も維持され、可動域に支障が出にくくなります。 - 自然な仕上がりに
ステッチは元の針穴に沿って丁寧に縫い戻し、裏地も革と一緒に調整することで、全体の仕上がりは自然で違和感がありません。

ただ短くするのではなく、**「着たときに美しく、かつ動きやすい」**というのが、当店の仕上げのモットーです。
3. 肩幅調整と合わせて、理想のシルエットへ近づける
意外と見落とされがちなのが、「肩幅」と「袖丈」の関係性です。
肩幅を詰めると、袖が自然と上がるため、袖丈も短くなります。そのため、袖丈調整を検討する際は、肩幅とのバランスも一緒に見ることが重要です。
たとえば、
- 「肩幅が少し広い気がする」
- 「ジャケットの肩が落ちる」
といったお悩みがある場合は、肩幅調整と袖丈調整をセットで行うことで、より美しいシルエットを実現できます。

肩からの袖丈詰めには限界も。目安は「約3cm」
肩から袖丈を詰める際の基本的な目安は3cm前後とお考えください。
それ以上になると、袖のアームホールが極端に小さくなり、身頃との接合が難しくなったり、可動域に支障が出る場合があります。
ただし、身幅に余裕がある場合は、同時に調整を行うことで、4cm程度まで対応可能なケースもあります。革の厚みやモデルによっても異なりますので、まずは専門の判断を仰ぐことをおすすめします。
最後に:理想の着心地と美しいバランスのために
ルイスレザーの袖丈詰めは、「見た目」「着心地」「ディテール」すべてを大切にしたいという方にとって、とても重要なカスタムです。
肩からの詰めは高度な技術を必要とするため、信頼できる専門店での対応が不可欠です。
当店では、着用写真やご希望のスタイルを丁寧に伺いながら、最適な詰め方をご提案しております。どんなご相談でもかまいません。まずはお気軽にご相談ください。