肩幅や袖丈、「なんだか合わない」と感じたことはありませんか?
レザージャケットを着ていて、「肩幅はちょうどいいけど、袖が長すぎる」「全体のサイズ感は悪くないのに、なんとなくしっくりこない」と感じた経験はありませんか?
特にネットで購入した海外ブランドのジャケットは、日本人の体型に合わないことも少なくありません。
レザージャケットは、肩幅・袖丈といった“パーツのバランス”が、着たときの印象を大きく左右するアイテムです。今回は、理想的なフィットを見つけるために押さえておきたい「肩幅」と「袖丈」の関係について、専門的な視点からわかりやすくご紹介します。
肩幅と袖丈はセットで考えるのが基本
リサイズの相談で多いのが、「袖丈だけ短くしたい」「肩幅だけ詰めたい」といったご希望。でも実はこの2つ、切り離して考えられるものではありません。
たとえば肩幅を詰めると、袖の取り付け位置(上袖)も上に移動するため、結果的に袖丈も短くなります。この関係を無視して肩だけ詰めてしまうと、袖が必要以上に短くなってしまうことも。
ジャケット全体のシルエットを崩さないためにも、肩幅と袖丈はセットで見て調整するのがポイントです。
肩幅を詰めるときのチェックポイント


調整の目安
- ジャケットの作りにもよりますが、左右で2〜3cmずつが一般的な調整範囲です。
- タイトなアームホール(袖ぐり)の場合は、調整幅が限られることもあります。
詰めすぎのリスク
- 袖との接続位置がズレて不自然な形になる
- 肩周りが窮屈に感じる
- 腕が上がりにくくなる
身幅との関連性
肩を大きく詰める場合(たとえば左右4cmずつなど)は、身幅も一緒に詰めないとバランスが崩れることがあります。全体のラインを見ながら調整するのがベストです。
袖丈を詰める方法は大きく分けて2通り
袖丈を調整するには、「肩から詰める」方法と「袖口から詰める」方法があります。
1. 肩から詰める方法


- 袖を一度外し、袖山(肩の取り付け部分)を短くして再び縫い直す方法。
- ルイスレザー(Lewis Leathers)など、袖口に特徴的なデザインがあるモデルでよく使われます。
メリット
- 袖先のファスナーやデザインを残せる
- テーパード(先細り)のシルエットも崩れにくい
デメリット
- 作業工程が複雑で、費用がやや高くなりがち
- 詰めすぎると肩や腕に違和感が出ることも
目安
- 自然な調整は2〜4cm程度。特にライディング用ジャケットでは、3cm以内が理想的です。
2. 袖口から詰める方法
もっとも一般的な方法で、多くのレザージャケットに対応可能です。
カフス仕様の場合


- カフスを外して、袖をカット → 再取り付け。
- 仕上がりは自然ですが、カフスが5mmほど短くなる可能性があります。
ファスナー仕様の場合
2つのやり方があります。
- ファスナーごとカット:シンプルですが、短くしすぎるとバランスが崩れます。
- ファスナーを外して再縫製:ファスナーの長さはそのままで、自然な仕上がりに。
注意点
- テーパードが強い袖は、詰めると袖口が太くなる可能性があります。
- その場合は肘周辺から袖幅を微調整して、自然なラインを出します。
リサイズ後の着心地と見た目の変化
適切にリサイズされたレザージャケットは、全体のシルエットが引き締まり、スタイルがよく見えるようになります。
特に袖丈が合っていると、
- 手首まわりがすっきり
- 時計やアクセサリーが映える
- バイクに乗るときも、手首が露出せず快適
など、見た目にも機能面にもプラスになります。
失敗しないためのアドバイス
一度詰めた肩や袖丈は、基本的に元には戻せません。そのため、リサイズを検討する際には以下のようなポイントを確認しておきましょう。
- 着用目的(街着/バイク用など)
- 手首の露出具合(隠したい/見せたい)
- 肩の可動域やフィット感
- 他の箇所とのバランス(身幅・裾丈など)
迷ったら、まずは写真を送って相談を
「袖だけ直せば着られると思うけど、どこまで詰めて大丈夫?」
「肩幅を調整したいけど、他の部分も一緒に見たほうがいい?」
そんな時は、実際の着用写真や平置き画像を添えて、専門家に相談してみるのがおすすめです。
経験豊富な職人が、ジャケットの構造や素材、お客様の体型に合わせて、ベストな調整方法をご提案いたします。
まとめ|理想の着心地は「ちょっとの調整」で変わります
レザージャケットはほんの数cmの差で、見た目も着心地も大きく変わるアイテムです。特に肩幅と袖丈は、ジャケットの印象を左右する大切な要素。
「もう少し短ければ…」「肩が合えば完璧なのに」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。
プロの目線で、長く愛用できる一着に生まれ変わるお手伝いをさせていただきます。