肩幅がきついレザージャケットを快適に着たい方へ - 肩まわりの窮屈感を和らげる方法

Category:お役立ち情報

「肩幅がきつくて動きにくい」「肩に違和感があって長時間着ていられない」
こうしたご相談をいただくことがあります。

結論から申し上げますと、肩幅そのものを広げるというリメイクは、構造的・仕上がりの観点からおすすめできません。
ですが、肩の可動域を広げ、窮屈感を軽減する方法はございます。

本記事では、肩まわりの着心地を改善するために有効なリメイク方法について、レザージャケット専門の職人の視点から詳しくご説明いたします。


アームホールを大きくすることで、肩の動きやすさを改善

肩まわりの窮屈さを解消する代表的な方法が、アームホールを広げるリメイクです。

アームホール(袖の付け根の開口部)は、じつは身幅の延長線上にある構造となっており、独立して拡張することはできません。そのため、

  • 身幅を広げる
  • それに伴い、アームホールも広がる
  • 結果として、二の腕まわりにもゆとりが出る

という形で、全体的にバランスよく広がるのが特徴です。

「アームホールだけ広げてほしい」「二の腕だけ太くしたい」といった部分的なご希望もありますが、構造上どうしても身幅とのセットでの対応が必要になります。


「肩幅を広げるリメイク」が推奨できない理由

「それならいっそ、肩幅そのものを広げてほしい」というお声もありますが、実際のところ、肩幅を広げるリメイクは非常に難易度が高い作業になります。

具体的には、身頃と袖の接合部(肩線)に革を継ぎ足す加工が必要となります。
理論上は可能ですが、以下のような懸念点があります:

  • 着用時に継ぎ足し部分の段差や不自然さが目立つ可能性がある
  • デザインバランスが崩れやすい
  • レザージャケットとしての強度やシルエットに影響が出る

このような理由から、仕上がりの美しさと実用性を重視し、当店では基本的に肩幅を広げるリメイクはご提案しておりません。


肩まわりを楽にしたいが、身幅は変えたくない場合

「肩だけ楽にしたいけれど、シルエットは変えたくない」「身幅を大きくすると太って見えるのが心配」
こうしたお悩みも多く耳にします。

しかし、残念ながら、身幅を変えずに肩にだけゆとりを出すことはできません。
革は布のように伸ばしてサイズ調整ができる素材ではないため、サイズを大きくするには必ずどこかに革を足す必要があります。

この際、脇下の左右から革を足す方法を採用すれば、見た目にも自然で違和感が出にくく、おすすめの方法です。
革の質感や色味を合わせて製作することで、違和感なく仕上げることが可能です。


レザージャケットは「快適さ」も大切に

レザージャケットは長く付き合う相棒のような存在です。
見た目のカッコよさだけでなく、「着ていて気持ちがいい」「身体が楽に動く」という感覚も、長く愛用する上ではとても大切です。

肩まわりの違和感を感じている場合は、無理に着続けるよりも、一度ご相談いただくことをおすすめします。
革の構造を理解した職人が、着心地とシルエットを両立する最善のご提案をさせていただきます。


ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お一人おひとりのレザージャケットに合わせた、最適なリメイク方法をご提案いたします。

最終更新日:2025年7月28日

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