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レザージャケットの裏地に縫い付けられたハリスツイードの認証タグ
【リペア相談室】レザージャケットを暖かく、裏地でも個性を出したい方へ:ハリスツイードの魅力と裏地交換事例
2025年11月18日
Category:リペア

ご相談の背景

長く愛用しているレザージャケット。表革のエイジングは楽しめても、「裏地(ライニング)」の傷みは避けられないものです。
擦り切れや破れ、中綿の飛び出し、汗ジミ、ベタつきなどが生じると、着心地が悪くなるだけでなく、着用を控えてしまう原因にもなります。

最近では、「もっと暖かくしたい、そして裏地でも自分らしさや個性を出したい」というご相談が増えています。
そんなご要望にお応えする素材として注目されているのが、イギリス伝統のウール生地「ハリスツイード(Harris Tweed)」です。

本記事では、ハリスツイードの特徴と、実際に行った裏地交換の事例をご紹介します。


ダメージの状態

裏地の劣化は、見た目ではわかりにくいこともありますが、以下のような症状が現れていたら、交換を検討するタイミングかもしれません。

  • 背中や袖部分の擦り切れ・破れ
  • キルティング生地の中綿の飛び出し
  • 汗ジミや変色による見た目の悪化
  • ベタつきやニオイなど、加水分解による劣化

特に冬場は、ジャケットの中にしっかりとした裏地があるかどうかで、着心地や暖かさに大きな差が出ます。


修理内容と理由

ハリスツイードとは?

ハリスツイードは、スコットランド・アウター・ヘブリディーズ諸島で織られる、100%ピュアニューウールの手織りツイード生地です。
その歴史は古く、イギリスでは高級ジャケットやコート、バッグなどに使われてきた伝統素材であり、重厚で個性的な色柄が多いのも特徴です。

有名ブランド「Lewis Leathers(ルイスレザー)」などでも一部採用されており、レザーとの相性は抜群です。


ハリスツイードの素材特性

特性内容
保温性・防寒性目が詰まったウールでできており、冷気を遮断。冬でもしっかり暖かさを保ちます。
耐久性摩耗に強く、長年使用できるため、裏地としても実用的です。
クラシックな風合い色柄が豊富で、ジャケットの内側に個性を加えることができます。
経年変化着用を重ねるほどに柔らかくなり、身体に馴染んでいきます。

※ハリスツイードは、本来は表地向きの厚手生地のため、多少のチクチク感がある場合があります。インナーを着ていればほとんど気にならない程度ですが、気になる方は事前にご相談ください。

※<kawaremake(カワリメイク)>では、ハリスツイードは常時ストックしておらず、お客様のご希望に応じて取り寄せ対応となります。納期にはゆとりを持ってご相談いただくのがおすすめです。


完成後の状態|3つの裏地交換事例

事例①|ハーレーダビッドソン・レザージャケット

Before|ポリエステルのキルティング裏地が全体的に劣化

中綿が劣化してへたり、生地が部分的に薄くなった裏地
Before|中綿の劣化によりへたりが目立ち、生地が部分的に薄くなっています

After|ブルー×パープルのタータンチェック柄ハリスツイードで全面張り替え

ハリスツイードに裏地交換したレザージャケットの内側
After|裏地をハリスツイードに交換し、保温性と上質感が加わりました
  • 効果:保温性が大幅にアップし、ジャケットに深みと高級感が加わりました。
  • デザイン面:ブラウンレザーとツイードの相性が良く、裏地からさりげない個性が際立ちます。
  • 付随作業:Harley-Davidsonのブランドタグは新しい裏地へ丁寧に移設。ご希望により、ハリスツイードの認証タグも内ポケット横に取り付けました。

事例②|シングルライダースジャケット

Before|擦れて薄くなったキルティング裏地

劣化した黒いキルティング裏地の取り外しパーツ
Before|擦れ・破れが目立つ劣化した裏地。中綿が露出しており、防寒性も失われていました。

After|胴体部分にハリスツイード、袖部分にキュプラ素材を使用

カラフルなチェック柄ハリスツイードに交換された裏地
After|ブルーやイエローを基調としたハリスツイードで裏地を張り替え。暖かさと個性を両立した仕上がりです。
  • 効果:冬でも暖かく、落ち着いたチェック柄が大人のライダースにマッチ。
  • 機能性:袖は滑りやすさを考慮して、キュプラ(静電気が起きにくく肌触りの良い裏地素材)を使用。
  • ご要望対応:HARRIS TWEEDタグの追加も可能です。

事例③|GAP製レザーカーコート(ヴィンテージ)

Before|裏地が破れて中綿が飛び出し、着用に難ありの状態

キルティング裏地が劣化した状態のGAPレザージャケット
Before|キルティング裏地の劣化が進んだ状態。表革に対して裏地の傷みが目立つようになっていました。

After|裏地全面をハリスツイードで張り替え

青×赤のチェック柄ハリスツイードに張り替えられた裏地
After|鮮やかなチェック柄のハリスツイードを使用。ヴィンテージレザーにクラシックな趣を加えた一着へと再生されました。
  • 効果:保温性・デザイン性が一気に向上し、ヴィンテージレザーと絶妙にマッチ。
  • ポイント:ポケット部分は活かしつつ施工。ツイードタグはご希望に応じて取り付けました。

お手入れアドバイスと予防策

ハリスツイードを使った裏地は非常に丈夫ですが、以下の点に注意することでより長く快適に着用できます。

  • オフシーズンは風通しの良い場所で保管し、湿気や虫害を防ぎましょう。
  • インナーの着用を基本にすると、汗ジミや擦れを軽減できます。
  • 定期的に風通しやブラッシングを行うと、裏地の風合いもより長持ちします。

まずはご相談ください

裏地は見えない部分だからこそ、着心地や使い心地に直結する大切な要素です。
ハリスツイードを使うことで、「もっと暖かく」「裏地でも個性を出したい」という想いをかたちにできます。

実際の裏地交換作業がどのように行われているのか、作業の様子を動画でご覧いただけます
ジャケットの分解から裏地の縫製、再構築までの流れを、前編・後編の2本立てで詳しく解説しています。

動画をご覧いただくことで、「どんなふうに作業しているの?」「仕上がりの雰囲気は?」といった疑問もよりクリアになります。


まるで**“レザージャケットに暖炉のぬくもりを内蔵する”**ような裏地カスタム。
冬に向けてのアップデートとして、ぜひご検討ください。

※ハリスツイードやその他天然素材の裏地はお取り寄せ対応となるため、通常より納期がかかる場合がございます。早めのご相談をおすすめします。

「今のジャケットをもっと快適に、もっと自分らしく着たい」そんな方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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傷んだ裏地を新しい生地に交換し、快適さと清潔感を取り戻します。

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