お気に入りの革ジャンを着て出かけた日、突然の雨に降られてしまった――
そんな経験はありませんか?レザー素材は水分にとてもデリケートなため、「濡れたまま放置」してしまうと硬化やシミ、型崩れといったトラブルを招いてしまうことがあります。
今回は、革ジャンが雨に濡れてしまったときにすぐできる正しい乾かし方と、注意すべきポイントについてご紹介します。大切な一着を長く愛用するために、ぜひ参考にしてみてください。

雨による革へのダメージとは?
革ジャンの素材である天然皮革は、動物の皮膚を加工して作られたもの。
そのため、水分を吸収しやすく、乾くと縮むという性質があります。これが雨に濡れることで以下のようなダメージを引き起こします。
- 革の硬化(ごわつきやひび割れ)
- 表面の色ムラや水シミ
- 型崩れや不自然なシワの定着
- 湿気によるカビの発生
中でも「濡れたまま放置」は最も避けたい行為。
革の繊維が変質してしまうと、元に戻すことはできません。
自宅でできる!正しい乾かし方5ステップ
① 表面の水分をすぐに拭き取る
まず行うべきは、水分の拭き取りです。
マイクロファイバークロスや柔らかい綿のタオルなど、吸水性が高く、繊維が細かい布を使いましょう。
📍ポイント:ゴシゴシこするのはNG。革を傷めないように、軽く押さえるようにして水分を移します。
② 裏地やポケットの湿り気もチェック
表面だけでなく、裏地やポケット内にも雨水が染みている場合があります。
裏返した状態で風通しのよい場所に置き、湿気を逃がしましょう。
📍補足:ポケットの中に紙類などが入っていれば、すぐに取り出して乾燥を促します。
③ ハンガーにかけて自然乾燥
乾燥中に型崩れを防ぐために、肩に厚みのあるハンガー(木製推奨)に掛けて干します。
針金ハンガーは肩にクセが付きやすいため避けましょう。
📍設置場所の目安:直射日光を避けた、風通しのよい室内または日陰
④ ドライヤー・暖房器具は使わない
「早く乾かしたい」と焦るあまり、ドライヤーやストーブで乾かすのはNGです。
急激な乾燥は、革の繊維を縮めて硬化させる原因になります。
📍自然乾燥の目安:半日〜1日ほど。革の厚みによって時間は異なります。
⑤ 完全に乾いたら保湿ケアを
しっかり乾燥した後は、レザー用の保湿クリームで油分と栄養を補給しましょう。
これにより、革の柔軟性とツヤが保たれ、乾燥によるひび割れを防ぐことができます。
📍おすすめ成分:ミンクオイル、ラノリンなど
📍使用方法:薄く伸ばして、柔らかい布で優しく磨くように馴染ませます
ごわついた革は元に戻せる?→戻せません
濡れた後の対応が遅れてしまい、革がゴワゴワ・パリパリになってしまった場合、
残念ながら元の柔らかさに戻すことはできません。
この状態では革の繊維が変質しており、保湿やオイルでのケアでは改善が見込めません。
そのため、当店「kawaremake(カワリメイク)」では、ごわついてしまった部分を新しい革パーツに交換する方法で対応しております。
📍交換可能な部位例:袖口・ポケット口・裾・肩・背中の一部など
📍再現性重視:可能な限りオリジナルの風合いやデザインに近づけて仕上げます
雨対策としての予防ケアも忘れずに
雨に濡れてしまったときの対応と同じくらい大切なのが、「濡れないための準備」です。
✅ 防水スプレーの活用
革専用の防水スプレーを出かける前に薄く均一に塗布することで、水の浸透を防ぎます。
※スプレー後は必ずしっかり乾かしてください。
✅ 怪しい天気の日は、レザーを避ける勇気も必要
無理して着用せず、別のアウターを選ぶことも大切な選択です。
まとめ|正しい乾かし方で、革ジャンの寿命は延ばせます
革ジャンが雨に濡れてしまったときは、素早く正しく対処することで、ダメージを最小限に抑えることができます。
- 水分をすぐに拭き取る
- 裏地・ポケットも乾かす
- ハンガーで自然乾燥(直射日光NG)
- 乾いたら保湿ケア
- ごわつきが出たら専門店へ
「少し濡れただけだから大丈夫」と思わず、日々のケアが革の寿命を大きく左右します。
もしご自身でのケアに不安がある場合や、すでに革の劣化が進んでいる場合には、ぜひ一度「kawaremake」までご相談ください。
革の状態を確認のうえ、最適な修理・パーツ交換のご提案をさせていただきます。