お気に入りの革ジャンを久しぶりに取り出してみたら、表面に細かなひび割れが…。
そんなご相談をいただくことがあります。
革は天然素材であるため、時間の経過とともに変化が起こるのは避けられません。
この記事では、ひび割れの主な原因や日頃のお手入れ方法について、革を扱う職人の視点からお伝えします。
革がひび割れる理由
ひび割れの一番の原因は、革から油分が抜けて乾燥してしまうことです。
革は「呼吸する素材」とも言われており、乾燥が進むと繊維が硬くなり、最終的には表面が割れてしまいます。
また、使われている革の種類によっても、ひび割れのリスクには違いがあります。
大きく分けて「塩皮(えんぴ)」と「乾皮(かんぴ)」の2種類があります。
塩皮(えんぴ)|油分を含んだ革
鞣しの工程で油分を適度に残した革で、ライダースジャケットなどにもよく使われます。
時間とともに味が出てくるのが特徴で、比較的ひび割れには強い傾向があります。
- 経年変化が楽しめる
- オイルレザーなどに多い
- ある程度の乾燥にも耐性がある
乾皮(かんぴ)|油分を抜いた革
油分をほとんど含まない軽量な革で、婦人用バッグやファッション性を重視したアイテムに多く使われます。
柔らかい一方で、乾燥に弱く、ひび割れが起きやすい素材です。
- 軽さと均一な質感が特徴
- 水分や油分が抜けやすい
- 表面がカサつきやすく、ひび割れが進行しやすい
ひび割れを防ぐために
もっとも大切なのは、ひび割れが起きる前に適切なお手入れを行うことです。
表面がカサついてきたと感じたら、革用のオイルやクリームで栄養を与えることが効果的です。
日常のお手入れのポイント
- 柔らかい布でホコリを落とした後、専用オイルを薄く塗布
- 高温多湿や直射日光を避け、風通しの良い場所で保管
- 着用頻度が少ないジャケットも、定期的に状態を確認
簡単なケアでも、革ジャンの寿命や見た目には大きな違いが出ます。
ひび割れが起きてしまった場合
ひび割れは一度起きてしまうと、革そのものの復元は難しいのが現実です。
ただし、状態や部位によっては、部分的な革パネルの交換といった方法で、
見た目や着用感を大きく損なわないよう、なるべく近い素材感の革を使用して雰囲気を整えることが可能なケースもあります。
「これは修理できるのか」「どこまで対応できるのか」と迷った際には、まずは状態の確認だけでもお気軽にご相談ください。
ご相談方法(参考)
このページは、修理のご案内というよりも、ひび割れの予防や判断の目安としてご覧いただければと思います。
「ひび割れかどうか判断がつかない」「今後のお手入れについて聞きたい」といったご相談にも対応しております。
気になる箇所の写真を添えてLINEまたはお問い合わせフォームよりお送りください。
以下の住所は、今後やりとりを進める際の参考情報です。
実際にお送りいただく前には、必ず事前にご連絡をお願いいたします。
〒997-0044
山形県鶴岡市新海町17-34
株式会社kawaremake
TEL:080-8211-3536
まとめ
革ジャンは、しっかりとケアすることで、長く愛用できる一着になります。
ひび割れは完全な修復が難しいため、早めの対策と日頃の管理が非常に大切です。
状態によっては、部分的な革の張り替えなどで対応できる場合もありますので、判断に迷った際はご相談ください。
大切なジャケットを、これからも長く着続けていただけるようサポートさせていただきます。